施術を受けても痛みが繰り返すのはなぜ?50代女性の事例から学ぶ「巻き肩にあえて胸トレ」と痛みのボーダーライン設定

コラム

※本記事は健康情報の提供を目的としており、特定の施術・診断を保証するものではありません。

皆さまこんにちは!hiroです。 今回は『施術を受けてもなぜ痛みが繰り返されるのか』について記事にさせていただきました。

せっかく施術やマッサージを受けたのにまた痛くなる。。。「意味ないのかな?」などと考えてしまいませんか?

これには、痛みの種類が関係しているのではないか?と私は考えています。

痛みが取れて繰り返さないケースと、繰り返すケース。それぞれでなぜそのような現象が起きるのかを、施術者と患者様(トレーナーとクライアント)できちんとすり合わせることが大切であるとこれまでの経験から考えました。

すり合わせて、理解してもらう
↓
だから施術やトレーニングの必要性を改めて感じていただくことができる
↓
体のコンディションが整う

このような関係性が大切かと思います。

これから、実際のクライアント様の事例をベースに私なりに学習してきた考えを記事にさせていただきます。 ぜひ、指導をされる方も受ける方も参考にしていただき、少しでも共感いただけると嬉しいです。

痛みが「治るケース」と「繰り返すケース」の違い

まず、私の考えとして、一時的な怪我(長時間歩いた膝痛、急に重いものを持った際の腰痛、肩痛、捻挫、寝違えなど)の急性のケガは、施術を行うことで比較的早く改善していきます。

しかし、慢性的なもの、例えば、

  • 長時間のデスクワークによる肩凝り、腰痛
  • ボールの投げすぎによる肩や肘の痛み
  • 繰り返すジャンプによる膝や股関節の痛み
  • 毎日重たいものを持つことによる腰痛など

これらの繰り返す動作による痛みは、施術後また痛みを繰り返す可能性が十分にあります。

なぜなら、その繰り返し行っている動作や練習そのものが体に「負担」だからです。

繰り返す「負担」を根本改善する3つのアプローチ

そこで、この「負担」を根本的に改善するためには以下の3つが大切だと私は考えます!

  1. 神経の促通(トレーニング)により普段使えていない筋肉を増やして、負担を減らす ※筋肉量を増やすのではなく、実は持っているけど使えていない筋肉を呼び覚ます。
  2. 刺激量そのものを減らす → デスクワークの時間を減らす、球数を減らす、などなど。
  3. 今まで掛かっていた負担を負担と感じないくらい強い体を作り上げる

しかし、2と3はあまり現実的ではありませんよね? 仕事は休めないですし、急に屈強な体を作るのも簡単ではありません。

だからこそ、まずは日々の小さなトレーニングで「普段使えていない筋肉」をどれだけ使えるようにするかが改善への第一歩だと私は考えます。

【症例紹介】50代女性・K様(デスクワーク)のセッション事例

ではここからは実際に私のパーソナルトレーニングを受けていただいている、K様(50代女性)の内容をご紹介させていただきます。

この方は受付のお仕事をされていまして、デスクワークによる肩凝りと腰痛、そして疲労がピークになると頭痛のお悩みとヒップアップの要望がありました。

職場の机の高さがなかなか合わなかったりする関係で、肩周りの筋肉や、大胸筋などの前側の筋肉もかなり緊張がありました。

週に1度のパーソナルトレーニングでは、まずは背中周りの可動性を出すためのウォーミングアップからスタートします。

  1. スタティックストレッチ
  2. ストレッチポールを使用した胸椎伸展・肩関節のストレッチ
  3. メイン種目(インクラインベンチプレス、ラットプルダウン、クランチ)

このような流れで約45分のセッションを実施しました。

瀬川の視点:巻き肩にあえて「胸のトレーニング」を選ぶ理由

巻き肩といえば、ラットプルダウンやローイングなどの背中の種目を選ぶことが多いかと思いますし、正しいと思っています。

ですが、私はあえて胸のトレーニングを選択します。

その理由として、ベンチプレスでは肩甲骨の内転・下制の固定、そしてアーチを作るための胸椎の伸展が求められます。そのため正しいフォームで正しい負荷を掛けて実施すれば、肩甲骨周りや胸椎のアライメントが整い、肩凝りの改善に繋がります。

さらに、アーチを作るために足を踏ん張るため、お尻や体幹のインナーマッスルにもしっかりと刺激が入ります。特に女性の場合はフラットよりもインクラインベンチプレスで大胸筋の上部に効かせることでバストアップも狙えます。

結果として、最後に写真を撮ると胸がしっかり開いてバスト位置が高くなり、お尻のインナーも使えているのでヒップの位置も上がり、背中の見栄えが劇的によくなりました。

「痛みをゼロにする」より「自分なりのボーダーライン」を作ろう

トレーニングに取り組む方の目的は本当に人それぞれだと思います。

  • 痩せたい
  • 運動不足を解消したい
  • カッコイイ体になりたい
  • 痛みを改善したい
  • スポーツでいい結果を出したい

などなど。

今回のような方のケースでは私は、ボーダーラインをご自身で設定することが大切だと考えます。

現代社会において、デスクワークによる肩凝り、痛み、体の不調、激務による運動不足など言い出したらキリがないですよね……。 その中で、この痛みが「ダメ」と感じる方も非常に多く感じますがそんなことはありません!

私が大切だと考えるのは、「痛みをゼロにする」よりも「ここまでならOKのラインを作ること」だと考えます!

  • 「こんな症状がでたら早く休む」
  • 「食生活を整える」
  • 「マッサージを受ける」

などの自分のボーダーラインを作ることです。

このK様の場合は、仕事合間のストレッチや自宅でのストレッチポールを使用した筋膜リリース、可能な範囲での簡単な自重のスクワットも提案させていただきました。

痛みを繰り返したくないけど、「痛みゼロ」を目標にする方は多いですが、慢性痛でゼロを目指すのは正直厳しいです。「走っていれば調子がいい」「筋トレしていれば調子を保てる」といった自分のボーダーラインを身に着けて、自己管理していく。

トレーニングはそのための1つのツールとして認識してもらえたら嬉しいです。

この記事を書いた人
hiroyuki.segawa

執筆:鍼灸師・スポーツトレーナー(Ace-Trainer 運営者)
臨床経験10年以上。プロのアスリートから高齢者のリハビリまで幅広く担当。解剖学に基づいた「痛みの出ない体作り」を発信中。

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