17年間、プレス工場で頑張り続けた身体へ。プロが教える「使いすぎた筋肉」の救い方

肩の痛み

17年間、プレス工場で頑張り続けた身体へ。プロが教える『使いすぎた筋肉』の救い方

※免責事項:本記事は健康情報の提供を目的としており、医師による診断や治療に代わるものではありません。激しい痛みや腫れがある場合は、必ず医療機関を受診してください。

「最近、急に肩が上がらなくなって……。これって四十肩ですか?」

先日、当院に来られたある患者さんの言葉です。お話を詳しく伺うと、そこには「年齢」だけでは片付けられない、長年の頑張りの積み重ねがありました。

今回は、プレス工場で17年間、日本のモノづくりを支えてきたある患者さんの事例を通して、「改善しない痛み」の本当の原因についてお話しします。


1. 症状の裏に隠された「17年間の反復動作」

その患者さんは、左肩が上がらないという主訴のほかに、右手のばね指、両手のしびれ、朝の強張り、さらには腰痛(すべり症)や不眠など、全身に多くの不調を抱えていらっしゃいました。

お仕事はプレス工場での穴あけ作業。
17年もの間、「掴んで、プレスして、置く」
この一連の動作を、毎日何千回、何万回と繰り返してこられました。

ご本人は「自分は元々細身だから、こんな重労働に耐えられる体じゃないんです」と仰っていましたが、実はこれこそが最大のヒントでした。

2. 痛みの真犯人は「筋肉の悲鳴」

お身体の状態を詳しく確認したところ、痛みの原因は関節そのものの異常というよりも、圧倒的な「オーバーユース(使いすぎ)」にあると考えました。

親指から肩まで繋がる「負担の鎖」

「掴む」という動作は親指の付け根に負担をかけ、それが前腕、上腕、そして肩へと連鎖します。さらに、立ち仕事で常に下を向く姿勢は、お尻や腰、肩甲骨周りの筋肉をガチガチに固めてしまいます。

私は施術中、患者さんの筋肉に触れながらお伝えしました。

「骨に異常があるわけではありません。ただ、筋肉がこれまでの重労働を支えようと、必死に耐えて硬くなってしまっています」

患者さんは、自分の身体がどれほど「しんどい状態」だったのか、改めて実感されました。


3. 一度に治そうとしない。「段階的リセット」の重要性

17年かけて蓄積された疲労は、残念ながら一度の施術で改善できるものではありません。当院では以下のステップで段階的なケアをご提案しています。

  1. 最優先部位の施術:
    まずは日常生活で最も困っている肩と腰の痛みを緩和します。
  2. 連動性の回復:
    肩の痛みに直接関係がないように思える、実は原因となっている肩甲骨や股関節などの部位を施術します。
  3. トータルケア:
    睡眠の質や指先のしびれなど、全身のバランスを整えていきます。

一気に全てを触るのではなく、まずは症状を出しているメインの筋肉をターゲットに、段階を追って関連している筋肉へと範囲を広げながら施術し、全体の緊張を緩めていきます。これが、再発させないためのプロの戦略です。


4. 頑張りすぎている「あなた」へ

今回ご紹介した患者さんのように、「仕事だから仕方ない」「いつものことだから」と痛みを我慢している方は非常に多いです。

しかし、痛みは身体からの「限界」というサイン。 そのサインを無視し続けると、身体は脳にブレーキ(AMI)をかけ、ますます動かなくなってしまいます。

もしあなたが今、「肩が上がらない」「朝から体が重い」と感じているなら、それはあなたの根性が足りないわけではありません。あなたの身体が、それだけ誰かのために頑張ってきた証拠なのです。

💡 執筆者からのメッセージ

長年、現場で多くの「頑張りすぎている身体」を見てきました。
身体の痛みは、単なる不調ではなく「そろそろ自分を労わって」という大切なメッセージです。

もし、今の症状について気になることや質問などあれば、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。


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次の10年も元気に動ける身体を、一緒に取り戻していきましょう。一度しっかりメンテナンスしてみませんか?

この記事を書いた人
hiroyuki.segawa

執筆:鍼灸師・スポーツトレーナー(Ace-Trainer 運営者)
臨床経験10年以上。プロのアスリートから高齢者のリハビリまで幅広く担当。解剖学に基づいた「痛みの出ない体作り」を発信中。

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