肩の痛みなのに「靴」を診る理由。知識ゼロの学生時代に母趾の種子骨を疲労骨折して学んだ、土台の真実

ケガ予防

肩の痛みなのに「靴」を診る理由。私が母趾の種子骨を疲労骨折して学んだ、土台の真実

※免責事項:本記事は健康情報の提供を目的としており、医師による診断や治療に代わるものではありません。激しい痛みや腫れがある場合は、必ず医療機関を受診してください。

「肩の痛みがなかなか取れないですね。ちょっと、普段履いている靴を見せてもらえますか?」

私がこう言うと、多くの患者さんは驚かれます。「肩が痛いのに、なぜ足なんですか?」と。

実は、人体という「建物」において、足首は唯一地面と接する「基礎(土台)」の部分です。今回は、私自身の苦い失敗談を交えながら、肩の痛みと足元の意外な、でも絶対的な関係についてお話しします。


1. 【実録】私が「母趾球の疲労骨折」をした理由

実を言うと、私は学生時代、まだ身体の仕組みについての知識が乏しかった頃に、走り込みなどで足底(足の裏)に過度な負担がかかり、母趾球の「種子骨(しゅしこつ)」を疲労骨折した経験があります。

原因は明確でした。私自身の「内側縦アーチ(土踏まず)」が弱かったことです。

本来、土踏まずがクッションとなって衝撃を逃がしてくれるはずが、アーチが潰れていたために、走るなどの激しい動きで母趾球にダイレクトに過剰な負担がかかり続けていました。当時はなぜ自分が怪我をしたのか理解できず、土台の崩れがこれほど大きな怪我に繋がることを、身をもって痛いほど思い知らされました。

2. 足元の崩れは「ドミノ倒し」で肩まで届く

私の母趾球が悲鳴を上げたように、足元の歪みはそこだけで止まりません。これを専門用語で「上行性運動連鎖(じょうこうせいうんどうれんさ)」と呼びます。

足元が内側に崩れると、体には以下のような「負の連鎖」が起きます。

  1. 足のアーチが崩れる(過回内)
  2. スネの骨が内側に捻じれる
  3. 膝が内側に入る(ニーイン)
  4. 股関節が内側に捻じれ、骨盤が前に倒れる(前傾)
  5. 猫背になり、肩甲骨が巻き込まれる(巻き肩)

このドミノ倒しのような連鎖によって、最終的に肩の「吸盤作用(安定性)」が失われ、腕を挙げるたびに痛みが出るのです。私の母趾球の痛みと、あなたの肩の痛み。実は「土台の崩れ」という同じ根っこから生じている可能性があります。


3. 靴の減り方は「体の履歴書」

私は施術の際、よく患者さんの靴の裏を拝見します。そこにはバイオメカニクス的な「証拠」が詰まっているからです。

  • かかとの内側が極端に減っている: 足首が内側に倒れ込んでいる(過回内)サイン
  • 靴の親指側がほとんど減っていない: 正しく地面を蹴り出せていないサイン

これらのサインを読み解くことで、肩の痛みの本当の原因が「足裏」にあることが見えてくるのです。

4. プロが教える「土台から整える」3ステップ

学生時代の苦い経験を経て、プロとなった私が現場で推奨している改善ルートです。

ステップ①:足裏の感覚を取り戻す(鍼灸・徒手)

母趾球周辺の緊張を解き、足裏のセンサー(固有受容器)を活性化させます。脳に「正しい地面の感触」を思い出させることが第一歩です。

ステップ②:アーチを守る「靴とインソール」の見直し

崩れた土台を物理的にサポートします。私自身の骨折も、適切なシューズ選びとインソールによるアーチ補正なしには克服できませんでした。

ステップ③:足裏から肩を安定させる(トレーニング)

足の指で地面を掴む感覚(ショートフット)を養い、その力が膝・股関節を通って「肩甲骨」を安定させる連動を脳に教え込みます。


5. まとめ:土台が変われば、肩はもっと自由になる

「肩だけを診る」のは、傾いた家の屋根だけを修理するのと同じです。

知識がなかった学生時代に、土台の崩れから疲労骨折まで経験した私だからこそ、断言できます。足元を整えることは、全身の痛みを解決するための「最短ルート」です。

もしあなたが「どこに行っても肩の痛みが治らない」と悩んでいるなら、一度ご自身の「靴の裏」と「土踏まず」に目を向けてみませんか?私と一緒に、一生モノの動ける体を作っていきましょう。

この記事を書いた人
hiroyuki.segawa

執筆:鍼灸師・スポーツトレーナー(Ace-Trainer 運営者)
臨床経験10年以上。プロのアスリートから高齢者のリハビリまで幅広く担当。解剖学に基づいた「痛みの出ない体作り」を発信中。

hiroyuki.segawaをフォローする
ケガ予防
シェアする
hiroyuki.segawaをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました